Open Skyプロジェクトについて、よくある質問とそのお答えです。

2005年4月26日更新
■どういうプロジェクトなの?

□「オープンスカイ プロジェクト」の最終的な目標は、人(体重50kg未満の女の子)がひとり乗れる「パーソナルジェットグライダー」を作ることです。現在はテストフライト用の初級滑空機が出来たところで、今後はトリム作業、そして低高度でのテストなどを行う予定です。



上の機体が 現在出来ている「M-01」です。これを飛行させるためには機体の補強や、スキッド(ソリ)の装着、舵のリンケージや操作系の調整などの追加作業を行う必要がありますが、基本的には「パイロットをのせて飛行可能」なように作っています。

 


■この機体は誰が設計・製作したの?

□このプロジェクトは (有)オリンポスにご協力いただいています。設計主幹は、オリンポスの四戸哲さんにやっていただいてます。
僕の知る限り、四戸さんはこの手の機体を実際に設計・製作できる日本で唯一の方だと思っています。
現状のところ、このプロジェクトは八谷とオリンポスの四戸さん、山崎さんによって進行しています。

 


■フェーズ1の 「メーヴェ1/2」と上の「M-01」は、ずいぶん形が違いますけど、どうしてですか?

□最初に試作として「メーヴェ1/2」をつくりまして、一応飛んだのですが、このまま1/1に単純に拡大するのは危険、と判断しまして、フェーズ2に入るときに設計を全面的に見直しました。
フェーズ2の「M-01」からはオリンポスの四戸哲さん設計による機体で、こちらは再度1/5モデルで検証を終えた後、実機の制作に入りました。当初完成は2004年秋ごろの予定でしたが、翼の形状(ガル翼って本当に大変でした)やボディの形状の工作の難しさもあり、当初想定していた工数よりも大幅に日数が必要となり、結局、設計〜治具製作も含めて、完成に1年半ほどかかってしまいました。ということで、テストフライトは2号機以降に持ち越されています。もちろん、1号機もあとでフライアブルに改造する予定です。

 


■「M-01」のデータを教えてください。

□ M-01諸元です。
全長   2083mm
全幅   9636mm
全高    1276mm(操縦把上端〜タイヤまで)
      1057mm(内外翼接合部上端〜タイヤまで)
主翼面積 12.2m2 (内翼(片)3.8m2 :外翼(片)2.3m2)
上反角   +4°(内翼部)
     -12°(外翼部)
平均空力翼弦(MAC) 1287mm
重心位置(C.G.)MAC  17%
機体重量    50kg(エンジン込みの想定乾燥重量)
パイロット重量  50kg (装備込みで55kg)
設計失速速度 10m/s
なお、「M-01」は、初級滑空機なので実際はエンジンは積みません。
この機体は主に離着陸の練習のために使う機体なので、バンジー発航を想定しています。
また、同型機をあと2機つくり合計3機で運用の予定です。

 


■この機体は、今すぐ自力で飛べるの?

□将来的には自力で飛べるようなジェットエンジンを搭載した試作機を作る予定ですが、今この機体に入っているエンジンはダミーです。エンジンなしの展示だとお客さんに最終目標が伝わりにくいのでエンジンの模型を作って機体にセットして展示しました。この機体に必要なジェットエンジンの推力は40kg程度なので、エンジンの大きさはだいたいこのくらいですむはず、という想定の模型です。

 


■機体の素材は何でしょうか

□木製構造体とFRP複合材(コンポジット材)のハイブリッドです。
主翼の構造材には木製桁と木製のリブ、外翼前縁および翼端とボディにはFRP複合材を 使っています。なお翼の表面はフィルムを使っています。
現在、木製の飛行機はほとんどありませんが、別にノスタルジーから木製で作っているわけではなく、 非常に軽くて強い機体を安く作ろうとすると、木製のほうが合理的だったりもするのです。まあ全部コンポジット(複合材)で作れれば、実はもう少し軽くすることも出来ると思うのですが、3機くらいで全コンポジットにすると、お金がかなりかかってしまう、というのも木製にした理由です。

 


■飛行時の速度、および最高時速はどれくらいでしょうか

□機体そのものは対気速度で時速200kmくらいまで耐えられますが、 実際は人間がむき出しで乗るので、時速120kmくらいが限界ではないでしょうか。実際の飛行はパワードハンググライダーと同じような運用をしますので、 (エンジンは高度を稼ぐために使い、高度(位置エネルギー)を使って速度を出す) 運用速度は時速50km〜90kmあたりになると思います。
また、失速速度は10m/s(時速36km)を想定しています。
この機体の場合、どちらかというとそこが重要で、つまり 安全性の面から人間が反応できる程度の速度で離陸・着陸することを優先して設計しています。


■滞空時間はどれくらいになるのでしょうか

□これは、そのときの天気とパイロットの腕によります。実際のところ、この機体は飛行機と言うよりグライダーとして設計されており、燃料フル(10リットル程度)でもエンジンを使えるのは10分程度です。ただ、コンディションが良く、パイロットの腕があれば、上昇気流を使ってかなりの時間飛んでいることは可能です。
なおこの機体は、高性能な固定翼ハンググライダーと同程度の滑空比を出せるように設計しています。(L/D 20くらいの予定) ちなみに現在の高性能グライダーであればコンディションがよければずっと飛んでいることも可能です。

 


■操縦はどのように行いますか?

□機体中央についている「スライディングベッド」で行います。 これは内翼についている舵(エレボン)にロッドで接合されており、ベッドを傾けることによってロール方向の操作を行います。また、ベッドは前後方向にも移動し、ピッチ方向のコントロールには重心の移動をつかいます。エレボンでのアップ・ダウンの操作はおこないません(ピッチ方向の安定性がシビアなので、2系統の操作をミックスさせるのはよくないと考えたのです)。また、操作把の右にはジェットエンジンのスロットルコントロールがついています。


■着地はどのようにするのでしょうか

□機体中央の主輪でおこないます。ソリにする案もあったのですが、いろんな条件の場所でテスト出来た方がよいので、タイヤにしました。
なお、展示中の機体にはついていませんが、転倒防止のため機体前方のスキッドと、後方に補助輪+ブレーキがつくことになると思います。


■この機体は量産するの?

□いいえ。量産する予定はありませんし、広く販売する予定もありません。 このプロジェクトは「このような機体が製作・実現可能である」ことを立証するためのもので、それ以上の量産や販売を目的にしてはいません。


■販売や利益でなければ、ではこのプロジェクトは何を目的にしていますか?

□私は、このような飛行機を欲しいとずっと思っていて、また、自分でも乗ってみたいと思っていたからです。
このような飛行機に気軽に乗れるような世界が実現するのはそう簡単ではないと思いますが、しかし飛行可能な試作機を作ることは可能なように思えたので、作ってみることにしたわけです。


■すっごくこれに乗ってみたいんですけど。乗るための資格とかあるんですか?

□この機体はハンググライダーとモーターグライダーの性質を併せ持っていますが、まずはハンググライダーに乗れる技量が必要になってくると思います。
当面はエンジンなしの機体でのテストになりますが、これには技量をもったテストパイロット以外の人を乗せる予定はありません(バンジーでのテストに関しては、ハンググライダーのC級以上持っている人を想定しています)。将来的なテストフライトの予定はまだ未定ですが、もしもあなたが本当に乗ってみたい、と強く思っているのであれば、まずはハンググライダーの訓練をすることをお薦めします。

 


■以前パイロットを募集していましたが、どうなりましたか?

□2004年に募集を終え、4名が候補として残っています。
実際には、自分が乗れないようなものに人を乗せるわけにはいかないので、自分(体重51kg)も訓練・飛行テストを行います。今後のテストフライトにはその4名+八谷でのぞみます。


■テストフライトは公開しますか?

□いいえ。テストは風のコンディションがいいとき、例えば早朝などを狙ってやるので、原則非公開です。機体がそうとうこなれてきたら、ある程度公開の実験をするかもしれませんが、当面は非公開で何度もテストを行うことになると思います。ただ、もちろんテスト時は映像を撮っておくので、それはいつか映像として公開するつもりです。


■どのくらいの予算規模なの?

□フェーズ1(模型制作など)で使ったお金は350万円くらいでした。 これは結局八谷の自費でまかなわれました。
その後、フェーズ2以降に関しての予算、約3000万円(3機の制作実費)は、ペットワークスの研究開発費として拠出しています。一見高そうですが、航空機の開発予算としては、破格の低予算だと思います。
まあ機体を作るだけなら完全な赤字ですがプロジェクトとしては面白いと思うし、いちおう映像もとりためていますので、そのうちドキュメンタリー映画にしようかとか思っています。


■以前、スタッフに応募したのですが、その後なんの連絡もないのですが。

□本当にごめんなさい。
当初は人手が必要かと思い、スタッフを募集しましたが、その後実製作の進行に関しては、細かい手作業が多く、人数が必要な状況がほとんど生じなかったのでした。
ただ、今後テストフライトを行うようになると、沢山の人手が必要になってくることもあると思いますので、その際にご連絡をすることがあるかもしれません。もしもそのときにまだこのプロジェクトにご興味がございましたら、お手伝いくださいますようお願いいたします。


■これはスタジオジブリ公認のプロジェクトなの?

□ちがいます。これは八谷が勝手にやっているもので、スタジオジブリやそのほかの会社とは全く無関係です。
ですから、これに関する問題や責任は、すべて八谷にあります。
(ただ、いつか宮崎駿監督に、実際の機体が飛ぶところを見て頂きたいとは切に願っていますが。)
ちなみにフェーズ2以降、機体の名称には「メーヴェ」という名称は使わないことにしたのですが、それは万一事故が起こったときに、ジブリや宮崎さんに迷惑をかけたくないからです。

 


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