見えないけど、そこにいる。

Fairy Finder

2005

サンタクロースっているのかな?

たとえばきみは、妖精や小びと、幽霊や妖怪なんかをどう思う?

科学が好きな君は「そんなものはいないよ」と思うだろう。うん。じゃあ、神様は?

この辺になると、実は少々答えにくい。

多くの科学者は、おそらく「実は神様はいない」と思っているのだと想像するのだけど、(僕は科学者じゃないから詳しくは知らない。あくまでも想像だ)でも、「神様を信じている科学者」もきっといると思うんだね。宗教は時に人間にとって食べ物以上に必要なものだから。

そして、神様も龍神さまも天使も妖精もコロボックルもいない「超合理的な」社会が豊かか、っていうと「そんなことはないだろう」と思う畑の人間だ。僕は。

人が暮らすときには、いろんな理由がいる。そしてヒトは納得しないと行動できない。

僕は「水にもきれいな心が分かる」とか全く思わないけど、山のわき水の泉は、大事に、綺麗にしておくべきだとは思う。

そのための「池の龍神さまが怒るから」という理由は、それはそれで美しいと思うんだ。わかりやすいし。(そもそも、なんでわかりやすいと思うんだろうね?)ま、それはそれとして。

見えないものを見ようとする心、ヒトの気持ちを分かろうとする心、そもそも心ってどういうものか考える心、それは「科学する心」ときわめて近いものであるように思うんだけど。

みんなはどう思う?

Fairy Finder 02

空を見るための望遠鏡 (2005)

Fairy Finder 01

フェ リ ファ ン ー (2005)

Fairy Finder 03

コロボックルのテーブル(2006)

Fairy Finder 04

人魚の窓 (2007)

Fairy Finder 05

フェザードフレンド (2008)

フェアリーファインダー は 2005年から制作開始された 小品の新シリーズ。

「不可視なものを考える」 ことを テーマにしているが、 もともとは OpenSky が6年 にわたるプロジェクトになってしまったため 「もっと気軽にそのときの思考を スケッチするように作ろう」 との考えで作られたもの。

最初の作品 は飴屋法水氏の個展 「バ  ング  ント」展 (P-HOUSE、東京2005)へ介入展示された 「フェ リ ファ ン ー」 (2005)、 次の02は「SKY HIGH」展 (キリンプラザ大阪 2005) に展示した 「空を見るための望遠鏡」。 3作目は 「コロボックルのテーブル」4作目は人魚をモチーフにした「人魚の窓」。5作目は鳥人をモチーフにした「フェザードフレンド」。

3作目以降は地中、水中、空中という異界に住んでいる「人のような、そうでないような存在」 を扱っている。これら想像上の妖精たちは「人間の持っているよくわからない衝動」に形を与えた物なのでは?と八谷は考えている。